経営を数値にして身近にしてみよう!
医療経営建替え・開業
病院・クリニックの経営を数値にして身近にしてみましょう。
ご開業なされている先生方は、顧問税理士さんから毎月、経営成績の説明を受けていると
思いますが、ご理解した上で病院・クリニックの経営に活かせておりますか?
ここで先生方に、経営数値を身近にする方法をお伝えします。
簿記の知識がない方でも、経営指標を簡単にご理解していただきます。
税務会計でよく使われる指標と云えば・・・。
「損益計算書」 P/L
「貸借対照表」 B/S
「キャッシュ・フロー計算書」 C/F
・・・と云われてもハードルが高いので、最も簡単な方法をご紹介します。
先生方は、何を基準に日々の診療をされておりますか?
経営を意識した時に、先生が一番大切にされていることは何でしょうか?
1日当たりの患者さんの人数でしょうか?
1ヶ月ごとのレセプト枚数でしょうか?
損益計算書を「1日当たりの患者人数」で表現してみましょう。
例えば、1日の患者さんの人数が30人、診療単価@10,000円、1ヶ月に20日間診療した
場合の例。
|
月間収支 |
|
患者数/日 |
医業収益 |
¥6,000,000 |
一日の患者数に 置き換え |
30.0人 |
薬品仕入高・委託検査料 |
¥2,500,000 |
12.5人 |
|
従業員給与 |
¥1,000,000 |
5.0人 |
|
テナント家賃 |
¥500,000 |
2.5人 |
|
その他固定費 |
¥500,000 |
2.5人 |
|
税金他 |
¥500,000 |
2.5人 |
|
院長先生給与等(生活費) |
¥1,000,000 |
5.0人 |
※ 置き換えの計算式
(損益計算書)÷(患者1人当たりの収入金額)÷(1ヶ月の診療日数)
上記の例ですと、診療時間が始まって12.5人の診察が完了した段階で薬品仕入代と検査
料の支払いが完了するイメージになります。
従業員給与であれば、患者さん5人分となります。テナント家賃やその他固定費・税金等
を支払って最終残った、患者さん5人分が院長先生給与等(生活費)となる計算になります。
経営成績表は、先生方の患者さん本位の診療の積み重ねの結果を表したものなので、結果ありきではありません。
一見難しそうに見える税務会計指標ですが、ちょっとした工夫を加えて経営指数を先生方の
なかに落とし込んでいただければ、毎日の診療に、よりモチベーションを見い出して頂ければ
幸いです。
余談ですが、先生方の中には、高級車がお好きという方々もおられると思います。
「いい車」は、経費と認められますか?
高級車がどこまで経費で認められるかは法律にはないです。
医師は「いい車」に乗られている割合が高いご職業です。開業医の先生方にとっては、
どこまで経費で認められるんだろう? が一番気になるところだと思います。
Ⅰ プライベートとの区分を明確化
プライベートで使用する割合が明確だと問題に成りにくいです。多少面倒では
ありますが「運行記録」を表示できるようにするとエビデンスになります。
また、事業外で使用しているセカンドカーが別途あれば、税務調査で説得力が
増します。
Ⅱ 高級車でなければならない「必要性」を強調
車を単なる移動手段として捉えるか、それを超越した「意義のあるもの」とし
て捉えるかで、見解に対する説得力が違ってきます。
医師の仕事は、診療や付随業務に限られることはなく、24時間病院・クリニック
の考える仕事です。移動時間も例外ではありません。
医療経営に思いを馳せる空間が上質なものであれば、自ずと、良いアイデアや
発想が生まれやすくなると私は思います。
だからこそ、高級車である必要があるという考え方は、価値観として成立するの
ではないでしょうか。税務調査時に、この様な説明をして、全てが経費として認め
られる訳ではないですが。
開業しようとしている先生方、必見です。
新車は、開業と同時に買う。
車を購入した時は、購入時の一時に全部が経費になる訳ではなく、耐用年数(新車
の普通乗用車であれば6年)に応じて、6年間で分割して経費にしていきます。
例えば、600万円の車であれば、6年間に渡って、毎年100万円ずつ経費にして行くことになります。
これが、減価償却です。
つまり、車の購入費が経費になるタイミングは、代金の支払いに関係なく、価値の
減少が基準になっていることがポイントです。
簡単に説明しますと、開業する2年前に購入した600万円の車であれば、開業後
のクリニックの経費として、400万円を計上出来ます。逆に、200万円は開業前の
2年間で価値が減少してしまっているので、経費に計上出来ません。
あくまでも税金の有利不利だけを考えると、開業と同時に新車を購入することが、
経済効率的には最も良い形ではないでしょうか。
新車購入にあたり、既存車両の下取りを考えた場合、裏ワザとして、開業後に
新車の購入費用が経費になることを考慮すると、ディーラーとの交渉の時は、新車
の値引きを頑張るのではなく、既存車を高く下取ってもらう方が、より多く軽費化
出来ることにつながります。
趣味を兼ねているとは言え、このような知識を経営に活用すれば、結果的には
節税と安定経営にもつながると思います。
以上
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